初釣果

印象的だったから今年初のスズキ釣果を記そうと思う。

2月の初旬で、まだまだ寒さの残る時期だった。風邪の終盤で体調も完全で無く、その日は、ゆっくりと昼前に釣りを開始した。場所は以前から気になった近場の地磯。そこは山の中腹の道路から見ると、かなり厳しそうな山道を下って行く先に鼻が海に突き出す絶好のロケーションである。

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遠目に見ながら山歩きのルートが見出だせなかった。だから日中の明るい時間帯を選び安全面から確実にルート開拓しながら鼻を目指して山道を下って行った。

やはり遅めのスタートだったので、お目当ての場所には先行者が2名いた。
そこは諦め手前の小さな馬背を選ぶ。

ロッドのガイドにラインを通し準備を始めた。
水深は比較的、浅めと判断し遠投の効くシンキングペンシルを最初のルアーに選択する。
かなり沖目まで投げ込み、ゆっくりと漂わす感じで巻き上げる。このルアーは、そんなに深く潜らない。せいぜい50cm位。
投げること5投目で喰ってきた。しかも、かなり手前でヒットした。
この日の海は波も程々で澄んでいたし表層で距離約10mの場所で突然、喰ってきたのだが、はっきりと姿が見えたので合わせを叩き込み、しっかりと決めれた。
全く警戒する様子も無く、ゆったりとルアーを真ん中から、ガップリくわえた。結構な良型で間違いなくスズキと呼べるサイズ。ヒットシーンが、これ程、はっきり見える事は珍しい。
まるで、俺の餌だと言わんばかり実に堂々と食い付いた。

 

(後から分かるが俺では無く私だった)
真っ昼間にファイト。最中に12時の時報が聞こえたから時間帯は良く分かった。

スズキはエラ洗いと言われるジャンプで針にかかってから猛烈に暴れて必死に抵抗する魚である。だから食い付いてから良く外れるので半分位は逃げられると言っても過言では無い。そして最後の取り込みが更に難易度を上げる。
日中で視界も良好で近いヒットだったので慌てずに、ゆっくりファイトした。
問題は取り込みだった。磯場で足場が少し高く、波も打ち寄せる。
最近は機動力が落ちるからタモを持たない。
さて、どうするか。まずは時間をかけて体力を奪い、それから近づいてリーダーを掴み抜きあげる作戦にした。
時間にして10分位だろうか。何回目かの寄せ波に浮かせ膝付近まで波に浸かりながら抜きあげ成功。

スズキと呼べるサイズで70cm だった。しかもパンパンな丸い魚体。

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何時も良い魚が釣れた時は近くに旧知の釣りベテランが居るので持ち込む。

自分でも捌くのだが、お世辞にも上手く無い。そのベテランは釣りも上手いが捌きも抜群なのだ。だから半身、おすそ分けの代わり捌いてもらう。

このスズキは何と驚いた事に抱卵していた。だからパンパンだったのだ。
食い気が、たっていたのだろう。
捌く時は命を戴くのだから余す事無く食する。
それこそ骨まで潮汁にして。
この時期に抱卵している事実は地球温暖化の影響だろうかとベテランとも話した。
何はともあれ以前から狙っていた初めての場所で今年初のスズキが釣れた事は強く印象に残った。
以降、今まで何回か通ってるが釣れては、いない。

 

それでも、また、ここに行こうと思うのは釣り人の悲しい性だろうか。